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目標に執着するリスクとは?

目標に執着するリスクとは?

目標を持つことって、本当に素晴らしいですよね。明確なゴールが見えると、なんだか自分の内側からエネルギーが湧き上がってくる感覚があります。「次の試験で必ず合格する!」とか「このプロジェクトで成果を出すぞ!」と心に決めた瞬間、ぐっと気持ちが引き締まり、背筋が伸びるような気がするものです。まさに、自分の中の炎が一気に燃え上がる、そんな感じです。

でも、その目標が「執着」に変わった途端、思わぬ落とし穴にはまることもあります。

たとえば、私の学生時代の話です。スピーチコンテストに挑戦したときのこと。事前練習では絶好調で、先生や友達から「これ、絶対優勝できるよ!」なんて言われ、すっかりその気になっていました。本番も自信たっぷりでステージに立ったのですが……壇上に立った瞬間、頭が真っ白。「えーと、えーと……」と何度も詰まり、練習で滑らかだったリズムはどこへやら。観客席からは気まずい空気が漂い、終わった頃には心の中で「地面よ、私を飲み込んでくれ!」と本気で願ったものです。

後日、友達から「あの時の顔、忘れられない(笑)」と冗談交じりに突っ込まれ、穴があったら本当に入りたかった。その経験を振り返ると、失敗の原因は明らかでした。「絶対成功させなきゃ!」という結果への執着が強すぎて、目の前の瞬間に集中できていなかったのです。ゴールだけを見つめすぎて、肝心の道を踏み外してしまったようなものです。

この「今ここに集中する」という考え方は、スポーツの世界でもよく耳にします。たとえば、一流のサッカー選手やテニスプレーヤーたちは、決して「勝たなきゃ!」という結果ばかりにとらわれません。代わりに、目の前の一つひとつのプレーに全力を注ぎます。「いま、この瞬間」に全神経を集中させることで、結果的に勝利が自然とついてくるのです。この考え方はスポーツに限らず、私たちの日常生活にも通じるものがあります。

実際、スピーチでの失敗を経て、私も「結果」ではなく「今やるべきこと」に意識を向けるよう心がけるようになりました。たとえば、仕事で大きな成果を求めすぎると、プレッシャーで手が止まることがありますよね。そんなときは、「まずはこの1行を書いてみよう」「このタスクを片付けてみよう」と、小さな目標にフォーカスするようにしています。不思議なもので、それだけで心が軽くなり、気づけばスムーズに仕事が進むことも。まるで渋滞していた車が急にスルスルと動き出すような感覚です。

ここで少し漢字に注目してみましょう。「念」という字、よく見ると「今」と「心」からできていますよね。つまり、「今に心を置く」という意味そのもの。この「念」という考え方、実はとてもシンプルです。「今」という瞬間を大切にすることで、未来の大きな目標にも近づいていける。肩の力を抜きつつ一歩ずつ進むことが、長い目で見ると最も効率の良い方法なのです。

「念じる」という言葉を聞くと、少し宗教的に聞こえるかもしれませんが、実際には特別なことではありません。「とにかく一歩ずつ」「目の前のことに集中する」というシンプルな行動を指しているだけなんです。結果にとらわれず、いま自分ができる最善の行動を積み重ねていけば、いつの間にか目標に近づいている。そう考えると、ちょっと心が軽くなりませんか?

何かに挑戦するとき、もちろん目標を掲げることは大切です。でも、ゴールだけを見つめすぎると、道に迷うこともある。そんなときこそ、「今ここ」に心を置いてみるのが大事です。「今」という瞬間を重ねていくことで、気づけばゴールが目の前に現れている――そんな経験を、きっと誰もがすることができるはずです。

さあ、今日も小さな「念」を持ちながら過ごしてみませんか?どうか、「残念」な結果ではなく、嬉しい「念願」が叶いますように。

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