
学生時代、私は朝からパチンコ屋に並ぶ日々を過ごしていました。当時はそれが特別なことだとは思わず、「これが自分の青春なんだ」とどこか納得していたのです。開店と同時に一斉に台へ駆け寄り、勝負が始まる――その瞬間が、毎日のハイライトでした。パチンコ屋という独特の空間で過ごすうちに、私はある一つの事実に気づきました。それは、「勝つ人と負ける人には明確な違いがある」ということです。
負ける人の典型は、目先の利益に振り回されるタイプです。少し勝つと「今日はツイてる!」とテンションが上がり、その勢いでさらに深追いしてしまう。最初の勝ちをすべて失い、挙句の果てには追加投資を重ねる。そして帰り道、肩を落として「あのときやめておけば…」と後悔する。こうした姿は毎日のように目にしました。さらに厄介なのは、その負けを引きずって翌日もパチンコ屋に戻ることです。「昨日の分を取り返すぞ!」と意気込むものの、悔しさに囚われたまま冷静な判断ができず、結果的にまた負ける。こうして「負けスパイラル」は完成します。
一方で、勝つ人は冷静そのものです。彼らはいつでも長期的な視点を持ち、感情に流されません。勝ったときは「ここで引こう」とスパッと席を立ち、負けたときも「今日はツイてなかったな」とさらりと気持ちを切り替える。その余裕からは、「次がある」という確信すら感じられます。
パチンコの勝ち負けは運にも左右されますが、最終的に鍵を握るのは「引き際を見極める力」です。勝っているときに潔く退く勇気、負けているときに無理をしない冷静さ――これを身につけた人こそが、長期的には勝者となるのです。
正直に言えば、当時の私は典型的な“負けスパイラル”でした。少し勝つと「もっといける!」と興奮し、持っていた資金をすべて投入してしまう。そして気づけば財布は空っぽ。帰り道には「あのタイミングでやめられていれば…」と自己嫌悪。それでも翌日には「今度こそ!」と再び足を運んでしまう。そんな日々を何度も繰り返しました。
しかし、この経験から私が学んだことがあります。それは、「感情に流されると負ける」ということです。冷静さを保ち、引き際を見極める力の重要性。それが欠けていると、どれだけ運に恵まれても結局は負けてしまう。この「冷静さ」と「引き際」の重要性は、実はパチンコだけに限らず、人生全般に通じるものだと気づきました。仕事でも、投資でも、FXや株など投資で資金を溶かしまくりました。
人間関係でも――「ここで踏みとどまるべきか」「今こそ一歩引くべきか」を判断する力が成功の鍵を握っているのです。
2025年こそ、感情に溺れず冷静さを身につけ、自分自身の「引き際」を見極められるようになりたい。そう誓いながら、新たな一年を迎えます。
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