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大阪万博よ。何処へ行く?

大阪万博のニュースを耳にするたびに、胸の奥がふわっと高鳴る。
最新技術、未来都市、夢のようなパビリオンたち。
まるで、子どもの頃の遠足前夜。「早く行きたい!」とワクワクして眠れなかった、あの感覚がふとよみがえってくるのです。

けれど、その高鳴りのすぐ隣で、ふと疑問が湧いてくる。
「これって、本当にエコなのかな?」と。
まばゆい照明に包まれた巨大な施設、大量の資材、広大な土地開発…。
夢を描くことは素晴らしい。でも、その“夢の跡”はどうなるのだろう?
まさか、「イベント終了→解体して撤収」で終わってしまうのか。
そんな考えが、胸のどこかをチクッと刺してくるのです。

そんなモヤモヤを抱えながら思い出したのが、江戸時代の人々の暮らしぶりでした。
あの時代の生活は、振り返れば驚くほどのサステナブル。
たとえば、一枚の着物。
正装として大切に着る → 夏用の浴衣に仕立て直す → 寝間着へと用途を変え、
さらに → 赤ちゃんのおしめ → 雑巾 → 最後は燃やして灰に → その灰は畑の肥料へ。
なんというリレー! 一片の布が、こんなにも多くの命をつないでいくなんて。

しかも驚くべきは、捨てるどころか“灰”までもが資源だったこと。
買い取る業者がいて、それが立派に経済を回していたというのだから、まさに究極のエコです。
「ポイ捨て」なんて言葉、江戸の人にとっては想像もつかなかったでしょう。

一方で現代の私はというと……。
深夜のAmazonタイムセールで無意識にポチポチ。
気づけば玄関には段ボールの山。「ああ、またやってしまった…」と反省。
まだ着られる服を「なんか飽きた」と手放し、家電は新モデルが出るたびに買い替え。
便利さにどっぷり浸かって、もったいない精神はどこへやら。
まさに、江戸の人に叱られそうな現代人の典型です。

江戸の人々が自然に持っていた「もったいない」という心。
それは単なる節約ではなく、自然への敬意であり、命を未来へとつなぐ優しいバトン。
本物のサステナブルな暮らしだったのでしょう。

もし、大阪万博がその精神を未来に引き継ぐ場になれたなら。
見かけ倒しの祭典ではなく、本当の意味で「持続可能な夢」を描けたなら。
きっと、それは伝説として語り継がれる万博になるのだと思います。

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